人生を変えた言葉

家の近くのカフェに先輩に会いに行った

入口から遠い奥の席に先輩は座っていた

○○さん、こんにちは~

今日はよろしくお願いします

こんな挨拶から始まった

最近どう、上手くいってるの?

優しいけれど頼もしい口調で聞いてくれる先輩

いろいろと近況を話すうちに次第に先輩の顔が

険しくなっていく

そしてとうとうこんな質問が来た

で、てっぺいは何がしたくて俺と何を話したいの?

え、あ、あの~

○○さんと話したら何か掴めるのかなぁ・・

と思って、、

お前、今日、何しに来たの?

俺とおしゃべりしに来たの?

いえ、そういうわけでは・・

じゃあ、なんなの?

何も答えられない・・

沈黙・・

息苦しい・・

しばらくして先輩が話し出す

お前さ~、今日、俺、仕事で来てるんだぞ

お前とおしゃべりしに来てるんじゃないんだぞ

べつにお前としゃべりたくないわけじゃないけど

他にも俺に会いたいやつがいるけれど

わざわざお前のために時間を空けてここにいるんだぞ

お前はそもそもやる気があるのか

俺にはあるようにあまり見えないぞ

中途半端な気持ちでは起業なんて出来ないぞ

もっと社会を勉強した方がいい

俺のサラリーマン時代はな・・

ここからは色々と話してくれたことは覚えているけれど

詳細は覚えていない・・

けれどとても情熱のある言葉で沢山話してくれた

記憶はある

そして、最後に僕の人生を変えた言葉が出た

てっぺい、お前はこの仕事にどれだけの想いを込めている

俺はな、命をかけてこの仕事をしているんだぞ

こんな言葉が出てきた

はじめはいろいろと言われる中出の一フレーズだったので

命かけてるなんて言葉すごいなぁくらいにしか思わなかった

そして、その後も先輩は色々と話してくれていたけれど

これも覚えていない・・

ただ頭の中でこの言葉だけがグルグルと回っていた

命をかけてこの仕事をしているんだぞ

命をかけて・・

・・・

・・・

・・・

命をかけて?

本当か?

命をかけるって、

大の大人がいうことか・・

子供のときにしか聞いたことないぞ・・

だって、大人が命かけてるって言ったら

本当に命をかけることになるんじゃないか・・

もしくは言葉だけだったらちょっとカッコ悪いぞ・・

こんなことがよぎる・・

でも・・

○○さんは口に出したことは絶対だ

今までもものすごい信頼感と頼もしさで

引っ張っていってくれてた・・

命をかける・・

これ本当か!?

ちょっと待てよ・・

大の大人が命をかけて仕事をしているって

なんかカッコいいんじゃない・・

ていうか、カッコイイ・・

○○さん、やっぱカッコイイ!

ぶっちぎりにイケてる・・

すごい!!

俺もこんなことを言える人間になりたい!!

こんな大人に俺もなるぞ~!!

(もう年齢的には大人・・)

こんなことを思った瞬間だった

あまり覚えてないけれど

先輩とはこれっきりか数回会った程度で

10年以上経ったいまでも会っていないし

どうしているかも分からない

でも、確実にこの出逢いと言葉に

僕の人生は大きく影響された

ここからまだまだ○○先輩のような

カッコイイ大人には程遠い

情けない人生を沢山歩んでいくことになるのだけれど

カッコイイ大人になる

そんな目標とビジョンをくれた出逢いだった

この後、資本金の50万円を使い果たし

失業保険もすべて受取り終わり

就職情報誌を手にとって

コンサルタントへの道がはじまった